【悪徳リフォーム】洗濯パンの交換

リフォーム

リフォーム済みの中古マンションを購入してから17年ほど経過しました。この17年間で様々な家の修繕を色々と自分でやってきました。最初は気がつかなかったのですが、蓋を開けるとそれはもう、物の道理を完全に無視した恐ろしいリフォームがなされているのがどんどんと発覚していく訳です。

そんな感じで相当痛い目にあった経験から、幸か不幸かチェックポイントがわかるようになってしまったので中古マンション購入の話、特にリフォーム済みの古いマンションを購入するならここをチェック!てな記事も書こうと思いますが今回は洗濯パン交換で見た恐ろしい光景を。

きっかけは洗濯パンが割れた

これが起こってから、結構な年数が経過していました。要は放置してたんですね。面倒ですから。まぁ大事には至らないだろうという気持ちでいたのも事実です。

使っている洗濯機がこれまた曲者

東芝のTW-130VBという型の洗濯機なんですが、これがなかなか強烈で、今は溶ける部分は溶けてなくなってしまってますからさほど怖くはありませんが、何かが燃えるような匂い、強烈な振動、乾かない洗濯物など不具合のオンパレードです。

気になる方はWeb上にあるこの洗濯機の口コミをご覧下さい。かなり笑えます。

最初は、こいつが暴れるから洗濯パンが割れたのかと思っていました。

しかし物の道理で考えると、洗濯パンの底の部分のほとんどは床に設置しているはずで、宙に浮いているなんて事は無いだろうと考えていました。

洗濯パンの画像検索をして確認してみたのですが、やはり底の面は前面が接地してそうな感じ。

重い腰を上げて部品発注、交換へ

自分でやると部品代はそう高くないです。しかし我が家のリフォームのレベルから考えると、リフォーム業者が洗濯パン設置場所をきちんと作っていない可能性が高い。

て事は業者にお願いすると開けた時点で「うわぁ。。。。」となり追加料金が発生するのは必須と考えたので、とにかく自分で開けてみるしかないと覚悟しました。

取り付け、取り外しに関して色々検索してみましたが、あまり的確な情報にも会えずで、図面を見ながら設置されているイメージ、取り外しと取り付けの流れをあらかじめイメージしておきました。

まぁ後述しますが、開けてみたら案の定というか、完全に予想を裏切らない素晴らしい仕事をしてくれていました。

洗濯パンの取り外し

新品の洗濯パンはこちら。現在の洗濯パンがTOTOのものでしたので、同じメーカーにしました。

主なサイズは3種類

一般的なサイズは規格があるようで、以下の3種類です。

  • 幅640×奥行640
  • 幅740×奥行640
  • 幅800×奥行640

私の家は古いので?一番大きなサイズのものが設置されていました。今はドラム式などは結構なサイズですから、奥行きはもう少しあった方が良いような気もしますが、こういった規格を変更するのは大変な事ですから難しいのでしょう。

固定は四隅、ネジで止めているだけ

上の新品の写真を見るとよくわかりますが、固定は四隅の穴で長めのコーススレッドのようなネジで留めているだけです。ですからあまり力をかけて回しすぎると、穴の奥のビス頭のあたり部分を破壊してしまう事になりそうなので締め付けは気をつけないとダメですね。

現状

洗濯機を移動して全体を確認します。

汚くて見苦しいですね。

洗濯機の足の当たっている部分、4箇所とも見事にクラックが入っていました。

左奥
左手前

右奥
右手前

左手前が一番被害が少なかったのですが、それは洗濯機が振動する方向や荷重の掛かり方によって変わったように感じます。

四隅のビスを外す

この色が少し変色している部分が穴を埋めるキャップですね。これを先の尖ったもので端から持ち上げて取り外します。

私はこの道具を使いました。これでもちょっと太いかなと思うくらい隙間がありません。

ここでビスまで外してしまうと、排水の部分のカップを外す際、力が逃げるので固定したままにしておいた方が良いでしょう。

匂いとの戦い

ここからカップ部を外していくのですが、専用工具が無い。何とかなるだろうと思ってスタートしましたが、正直ちょっと焦りました。

この排水部分の煙突型のまわりに見える十字に出っ張りがある部分を外さなければいけません。するとこの煙突部が外せるようになり、トラップの効果がここで無くなりますので排水の匂いがまともに上がってくるようになります。

これを外したら、下にさらに回転させて外すパーツがあります。このパーツで、洗濯パンとカップをサンドイッチにして止まっています。

これは構造が車の燃料ポンプ取り付け部に似ているので、外し方は心得があったのですがめちゃくちゃに固かったのですが結局、ウォーターポンププライヤーと金槌の柄を使って強引に回しました。樹脂がかなり古いものですから破壊してしまうんじゃないかとヒヤヒヤしました。

やっと外れました。この辺は結構大事です。いくつかのパーツが重なって取り付けられているので、順番を間違えないようにちゃんと記憶しておかなければいけません。道理で考えると当然の重なりではありますが、念のため写真を撮っておくなどしておきます。

とにかく汚いですね。

洗濯パンとカップ部の間のパッキンです。これがあるので、洗濯パン内にもし水が溢れてもちゃんと排水されるようになっているんですね。

ここで、洗濯パン四隅のビスを外して洗濯パン本体を取り外します。

やはり予想通り宙吊り

開けてみて、やっぱりな。。。となりましたが、こんな感じでした。

もう、何このスカスカな底!となるのは当然ですね。洗濯機の足の部分の支えが全くありませんから、洗濯パンの強度のみで洗濯機を支えていたという恐ろしい構造です。

ここで一番強烈なことが発覚

なんと、排水パイプの設置が本管(画像上部)から下向きにジョイントされています。これでは二重トラップになり排水効率は最悪になります。

水は上から下にしか流れないって事を業者が知らないとは思えないのですが、スペース的なものと予算の関係で適当にやるしか無かったのでしょうね。。。

この状態ですから、洗濯パンのカップの部分のトラップよりも本管の最下部の方が高い。これではスムーズな排水が行われる訳がありませんね。

実はキッチンの排水もシンク下部で同じこと(2重トラップ)をやられてます。で、このジャバラの接続より右がキッチン排水管へと繋がっていますので、キッチン側は3重トラップになっています。そんなとこの数を増やされてもなんにも嬉しくないのですが。。。

配管工事まで自分でやってしまうと、ミスったら大変なことになりますので(免許がいるのか知らない)そこは手をつけずに、気づかなかったことにしてとも言えますが、、、とりあえず洗濯機を置いても耐えれるような構造にしてから洗濯パンを設置することに集中します。

最低でも足の当たる部分は強化する必要がある

さてどうしたものか。幸い2X4や1X4材の端材はたくさんあるので、元に組まれている骨組みに対しての組み方を考えれば何とかなりそうです。

最初はコの字にして引っ掛ける案で進めたが

洗濯機がかなり重いし振動が凄いので、写真のように切り欠いてそこに補強材を入れるのがベストと思い、鑿でチマチマと落としていました。

これで、ぴったり入った!となりましたが、「何時間掛かるんだこれ」となり途中からは路線変更しました。

ここはもう片側は乗せて、もう片側は横から長めのビス打てば問題ないだろう、なんて半分心が折れてるので逃げの発想になり、こんな感じで固定することにしました。

壁沿いは無理だと気付く

内側から外にはビスは打てますが、壁側はその加工が出来ないことに気付きました。

悩んだ末、支えを入れるなら横からでもビスが打てると思い路線変更。

まぁ7mm程度乗ってたら落ちはしないだろうと思ったのでこの方法にしました。

自分が乗って軽くジャンプしたりしても平気だったのでこれで全て進める事にしました。

右手前は壁が無かった

もっと先によく見てから策を練れば良いのでしょうが、結構場当たり的に進めてるものですから、最後に右下の問題に気付きました。

とりあえずT字にすることで解決

この右に折れて進んでいる配管は、断熱処理されているので恐らく給湯器からの配管です。ここにダメージなんて与えたら大変なので、色々と思案しましたが、まぁなんとかなるだろうとT字に材を組み合わせて設置しました。

底部の当たりが甘いのですが、まぁ仕方ありません。これ以上の加工は難しいと判断し、これで組み上げました。

洗濯パンの設置

取り付けは簡単なようで、カップ部のネジがなかなか合わず、かなり苦労しました。

ネジの基本【入口は必ず1箇所】

これは結構大事な話なのですが、ネジの構造は雄ねじも雌ネジも基本的に入口は一か所しかありません。そこをきっちり狙って合わせるようにして締め込むと入りやすいです。

しかしこの場合は下側のカップが逃げていくので、なかなか上手くいきませんでした。

入ったらあとは順番通りに戻していく

ここが固定できたら、あとは戻していくのみですね。

仮止めで良いので外れてしまわないところまで締めておいて

四隅をビスで固定

この状態から

  1. コップ
  2. えんとつ
  3. パッキン
  4. リング

と設置していきます。

これでほぼ完成です。

あとはトップの部分の取り付けと

このままでは匂いが上がってくるので、水を入れてトラップが働くようにします。

完成しました

とりあえず、この時点で完成です。

排水の部分だけやたら古めかしいので、新品に交換しておけば良かったかなとだいぶ後悔しましたが、後の祭りです。これをご覧になられて作業される方は、私のようにケチるとこうなるけどそれでも良いか、よく考えて下さい。

シーラーを打つ

洗濯パンと設置枠の間から、隙間風がかなり入ってきてましたので、シーラーを打って止めました。

これで安心して使えるようになりました。

今回使用した部品や工具

今回のセルフリフォーム?で使用した工具や材料をまとめます。

洗濯パン

これは横幅のサイズが3種類、あと排水の穴位置が奥、手前、センターと3種類ありますのでご注意下さい。

ウォーターポンププライヤー

正直これは特殊な使い方をしたので不要かもですが、まぁ一本あれば家庭用の水道のメンテなどにも使えます。相手が金属の場合は傷に注意です。

金槌

まぁこれもそうですが、一家に一本あればなにかと便利ですよ。

おわりに

こういう作業の基本は

  • 十分な下調べ
  • 自分のレベルの遥か上は避ける
  • 水道やガス、電気配線を絶対破壊しないよう気を付ける

この3つさえ守れるのであればどんどんチャレンジしていっても良いのでは?と思います。

洗濯パンを自分で交換したい方の参考になれば幸いです。

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