新しいMacに買い替えてから半年以上は経過していますが、以前使っていたMacも並行して使用していました。
この古い方を知人に譲る話をしていたのですが、データの移動などがかなり面倒だったので放置状態、買い替えから随分と時間が経過してしまいました。
そろそろ新しいMacに移行しないとなぁなんて思い、簡単だろうと考えて取り掛かりましたが、知らないとは恐ろしいもので全く一筋縄では行かない難易度、最終的に不可能だという事が判明しました。
本当に使用出来るのか
なぜこのテストをしてみようと思ったか、これには理由があります。
外部ストレージからの起動が可能か試しやすい環境
以前使用していたMacbook proは13inch, mid, 2012のCore i7のモデルです。これをよくある改造?をして光学ドライブを取り外し、メインのHDDをSSDに換装、これまで使っていたメインHDDを光学ドライブ位置に取り付けて、そのHDDにWindows10をインストール、パーテーションを2つに割って片方はWindows10、もう片方はファイル共有のためにexFATでフォーマットして使用するという状態でした。
これが結構便利で、自分自身はWindowsを使うことはほとんどありませんでしたが、電話でWindowsの故障の相談などをされる際にWindowsを起動して画面を見ながら相談に乗れるのが非常に便利でした。
WindowsXPだと、どのメニューをどこから呼び出すのかほぼ完璧に覚えていたのでそんな必要もなかったのですが、Windows7以降のOSに関してはほぼ無知ですから記憶を頼りにアドバイスをするのが難しかったのでBootcampを使いだしたという経緯があります。
過去のMBPからWindowsのドライブ単体で取り出せる状況
要は完全に独立した状態(MacOSとは別のドライブ)でBootcampを使ってWindowsをインストールしていた訳ですから、それを取り外して外部ストレージからの起動をすれば簡単に動くんじゃないかという浅い考えでこれをやってみようと決めました。
果たしてそんなに簡単に動くのでしょうか?
まずはWindowsサポートソフトウェアをダウンロード
新しいMacでWindows10を動かすには各種ドライバを先に用意しておく必要があります。
ドライバファイルのダウンロードはBootcampアシスタントから行いますが、そのダウンロードしたファイルをWindowsから読み込むために、別途USBメモリを用意する必要があります。
USBメモリを用意する
基本的には何でも良いのですが、ただ用意するUSBメモリはMS-DOS(FAT32)でフォーマットされている必要があります。
必要な容量は?
大量にあるUSBメモリの中から適当なのを選んでダウンロードした結果は以下です。
- 1,354,530,505 バイト(1.36 GB)
- 871項目の合計
ちなみに私のMacは
- MacBook Pro (16-inch, 2019)
- プロセッサ:2.3 GHz 8コアIntel Core i9
- メモリ:32 GB 2667 MHz DDR4
- グラフィックス:AMD Radeon Pro 5500M 8 GB、Intel UHD Graphics 630 1536 MB
このような構成です。この構成に必要なサポートソフトウェアのサイズは1.36GBでした。
ネットで検索すると800MBくらいという記事も見ましたが、これは個体差があって当然ですね。必要なドライバファイルが多いほどファイルサイズは大きくなるのは必須です。
Macを使ってUSBメモリをMS-DOSでフォーマットする方法
この記事を読んでる時点で皆さんそこそこ詳しい方なんだろうと思うので釈迦に説法となるかも知れませんが念のため簡単に説明します。
- USBメモリを取り付ける
- ディスクユーティリティーを起動する
- 取り付けたUSBメモリを選択する(間違えないように)
- MS-DOSでフォーマットする
以上です。ディスクユーティリティーは普段使わないアプリなので探すのが面倒ですね。そんな時は⌘+スペースを押してSpotlight検索、ディスクユーティリティーと入力すると簡単に見つかります。
詳しく説明している記事がありますので、気になる方はこちらを参考にして下さい。
Windowsを最新の状態にしておく
これはあまり関係ないのかも知れませんが、こういう作業の際にはやはり使用するソフトは全て最新の状態で揃えていた方が無難だと思います。
以前のMacでWindowsを起動し、設定からアップデート、最新の状態にしておきましょう。
内蔵HDDを外付ストレージ化
Macbook proから取り出したHDDを、外付けHDDケースに入れて外部ストレージ化します。ガチャベイがあるので不要かとも思ったのですが、この方が使い勝手が良いと思って過去に購入した外付けHDDケースにセットします。
光学ドライブ部に取り付けていたHDDを取り外す
ちょっと古いMBPを使っている方には有名なキットですね。
これを使って取り付けていたHDDを取り外します。
取り外しの手順、分解の手順については別記事にて。
ここから取り出したHDDを外付けドライブ化します。
こちらの商品は以下ですが、今ではさらに良いケースが販売されているのでこれはあまりオススメ出来ません。
おすすめのSSD、HDDケース
私が購入したのは前述のケースなんですが、この記事を書く際に気になったので再度外付けのケースを検索してみました。
私が購入したのは2019年12月でしたが、一年も経たないうちに購入したものよりかなり良さそうなケースが販売されていました。
私が購入した際、まだUSB3.1 Gen1のケースしか販売されていませんでしたが、このELECOMのケースはUSB3.2(Gen2)に対応しています。
有り難いことに、USB-C to USB-Cケーブル、USB-C to USB-Aの両方のケーブルが付属していますね。
これケーブルだけ買ってもそれなりにお金掛かるので、両方のケーブルが付属してるという点だけ見てもこの価格は強烈にお買い得だと思います。
ネジ止めは強烈にめんどくさい
私の買ったものはアルミのケースで見た目は良いのですが、ケースがネジ止めなんです。まぁ頻繁に中身を入れ替えするようなものではありませんので、問題ないといえば問題ないのですが、入れ替えの際はいちいち工具を出さなければいけないし、そのための工具をちゃんと保管しておく必要があります。
またアルミのケースは見た目や放熱に関しては優れているとは思いますが、もしMBPの上に落とした、上に置いてる状態で横に滑らせたなんて事が起こると、傷を入れてしまう可能性があります。
樹脂のケースだと、確かに放熱は問題あるかも知れませんが、そういった傷の心配はありませんんね。MBP本体に傷が入ると直すに直せないので結構痛いダメージになると思います。
ですから、今から外付けストレージケースを購入する予定のある方は、前述のロジテック製のような樹脂のケース、工具不要で中身の入れ替えが可能なものを選ぶことをおすすめします。
外部ストレージからWindows起動を試す
BootcampをインストールしてあるHDDを外付けドライブ化が出来ましたので、新しい方のMacから起動する準備をします。
可能であればUSBマウスを用意
まぁ入力に関するデバイスのドライバをWindowsがもっていない可能性は非常に低いとは思いますが、もしもタッチパッドとキーボードのドライバが読み込めなかった場合、最悪は強制的にシャットダウンしなければいけなくなりますので、このようなテストをする場合は可能であればUSBマウスを接続しておいたほうが良いでしょう。
MacでWindows用のマウスは使いにくいと思われる方も、以下のアプリをインストールすれば快適に使用できますよ。
起動はOptionを押しながら
通常の構成だとOSがインストールされているドライブは一つですから、電源を入れるとそのドライブにインストールされているOSで起動するのですが、今回のように外部ストレージからの起動や、人によっては違いバージョンのMacOSを複数インストールしている場合があります。
そのようなマルチブートの環境だと、起動時にどれで起動するのかを選ぶ必要があります。
起動時に選択しなければ、自動的にシステム環境設定の「起動ディスク」で選択されているディスクから起動されます。
Startup Managerを使う
電源ボタンを押したらすぐにOptionボタンを押しっぱなしにします。最初から押すという人もいれば、起動時の「じゃ~ん」の音の最中に押しても大丈夫という人もいますが、最近のSSDのタイプは起動がとにかく速いので、電源ボタンを押した直後にOptionを押さないと間に合わなくなる可能性がありますので注意です。
ここでどのドライブから起動するかを選択出来ますので、通常は「EFI Boot」と書かれたディスクを選択します(Bootcampは全てこの表示だった気がします)。どれか分からなければ、外付けの場合はドライブの色がオレンジ色で表示されるはずなので、それを選択します。
ドライバファイルの準備
Windowsが起動したら、ドライバーファイルをインストールする必要があるので、先にダウンロードして用意しておいたWindowsサポートソフトウェアの入ったUSBメモリを接続、Windowsが起動したらBootcampフォルダ内のBootcamp.exeを起動してドライバファイルをインストールします。
この様な手順で進むつもりだったが。。。
結論から言うと、Windowsは起動しませんでした。かなり悩んであれこれと試してみたのですが、完全に無理だと感じたため諦めてしまいました。
ここでは試してみた事、気付いた点について記載します。
試したこと
まず、イメージでは外付ストレージから簡単に起動すると思っていたので、WindowsがインストールされたHDDを接続して起動しようと試みました。
Setup ManagerにHDDが表示されない
WindowsがインストールされたHDDだけを接続しても、何故かSetup Managerに接続しているHDDが表示されませんでした。
これはとても不思議に思ったのですが、次にMacOSを外付けで起動しようと試した際にその理由がなんとなくわかりました。
起動しないMacOS
次は旧MBPの構成を新MBP上で再現したらどうかと考えて、ガチャベイの2つのスロットに旧MBPのSSDとBootcampのHDDを接続して起動してみました。
これは出来ないことを知っていたので完全に実験的に作業したのですが、予想通り無理でした。外部ディスクにインストールしたMacOSを起動するには、Mac側の環境で大きく結果が変わります。
Setup Managerに全てのディスクが表示された
2番目に行なった作業で起動すると、Setup Manager上では接続している2台の外部ストレージが表示されました。
Windowsが単体でインストールされている(当然Bootcampで)HDDを接続しても認識出来ないというのは理由があるはずです。
Bootcampを管理しているのはMacOS側か
他に原因があるのかも知れませんが、これらの結果から私が考えたのはこのような原因です。
MacOS側でBootcampを含めた構成を管理している
外部ストレージ2台を接続して初めてWindowsがインストールされたディスクを認識するという事は、BootcampをインストールしたMacOSのディスクに何らかのBootcampに関する情報が設定されるのではないかということです。
MacにBootcampを設定する際、当然Mac上から行いますね。
今回の私のケースは特殊なので一旦置いといて、通常のMacでBootcampを設定する際を考えると、当然Macの全体の構成を含めてWindowsをインストールするエリアを確保する訳です。Windowsをインストールするという事はファイルフォーマットが違うエリアを確保しなければインストール出来ませんね。
ですから、私にようにメインのドライブ以外(2つ目のストレージ)の場所にBootcampを設定してWindowsをインストールしたとしても、MacOSがインストールされているドライブ自体に「ここからここまではNTFSでフォーマットされてるエリア」という情報を残しておかないとデータを書き込む際に問題が発生する可能性があるため、Mac側のディスクにBootcampの情報が書かれるのではないかと想定しました。
これが理由となり、2つのディスクを接続すると認識されるのではないかと考えました。
この状態でもWindowsは起動しない
結局、新Mac側からWindowsがインストールされているディスクは見えていますが、そこから起動しようとしても全くダメでした。
完全に無理だとわかったので諦めた
その後ググったり色々と試してみたのですが、時間がかかるばかりで良い結果になる気配が無さそうなので完全に諦めてしまいました。
今使っているMBP16が1TBのSSDなのであまり余裕が無く、出来れば外部ストレージでWindows10をインストールして使いたかったのですが、どうやら諦めるしか無さそうですね。
以下記事で外部ストレージから起動する方法が書かれていますが、Catalinaでは不具合が出ているようなので現時点では(2020/10/31)難しいのかも知れません。
おわりに
MacOSだと外部ストレージからの起動はそんなに難しいことではありません。
ですがBootcampは基本的にMac上で設定、Mac上からマルチブート環境を構築して、マルチブートで設定するOSがWindowsだという事なので、そもそも外付けの環境は適さないのかも知れませんね。