いろんな作業をしていると、やはり大工さんの使う鑿が欲しくなってきました。色々と調べてみましたが、一本ずつ購入するとスペースも取るし高いし、でも安っぽいのは使いたくないので、いかにも素人っぽいですが、刃の差し替えが出来るタイプを購入しました。
最初の仕込みがなかなか大変
これは差し替え式でも普通の鑿でも同じだと思いますが、お尻についてる金属の輪「かつら」と呼ばれる輪を柄の面より少し深めに落とし込んで、柄のお尻を金槌で叩いて広げます。それでかつらが抜けなくなるようにする、かつらを直接叩かないようにするための仕込みです。この仕込みに関しては写真を撮っていなかったので、ググって調べてみて下さい。
かなり叩いて広げましたが。。。
これでもまだ足りないというか、かつらの内側を削る量と奥に押し込む量が若干小さすぎた感があります。
柄の部分を中心から外側に叩いて木を広げる感じで金槌を使うのですが出っ張りが少なすぎてこれくらいしか広げることが出来ませんでした。
正直、失敗だったかと思っていますが、鑿を使うときは叩くというより押して使う方が私は多いので、まぁこれでも良いかと思って使っています。
刃のサイズはどれが良い?
かなり調べてから購入したのですが、いろんなところで9mmと15mmの2本から始めると良いと言われていたので、その2本で揃えました。
本体付き(柄付き)は9mmを購入
確かこれをホームセンターで購入した際、9mmの柄付きの方が15mmの柄付きの方が高かったのでそうした記憶があります。
写真には写っていませんが、六角レンチも付属していました。
構造は単純
刃の取り替えは簡単
差し替えの柄の部分にイモネジが付いており、それを緩めて刃を交換します。
そこそこしっかり締める
軽くクッと締める感じだと使ってる途中でカタカタとガタが出てきますので、それなりにしっかり締める必要があります。でもネジのサイズが小さいので、正直思いっきり締めるのはナメた時の事を考えてしまうので、なかなか出来ません。それなりの力で締めて、緩んだらまた締めるって感じでOKだと思います。
使ってみた感想
プロの意見などを色々と調べたのですが、買ったら必ず自分で研いでから使うんだみたいな意見がほとんどでしたが、素人が下手に研ぐと刃物は必ず切れなくなるでしょうし、まぁ使って切れればそれでOKと思って使ってみると、かなりサクサク切れました。
包丁に関しては切れない包丁の方が危険ですが、使っていくと鑿も同じだと思います。
切れない刃物を力でなんとかしようとすると、手が滑った瞬間に怪我をした場合、ダメージがかなり大きくなります。
実は私も使ってる最中、刺してはいませんが指先に「チョン」と刃先が当たったと思ったら刃の角が手に当たったらしく、なかなかの量の血が出ました。
切れ味が鋭い反面、これが力一杯だったらと想像すると恐ろしくなります。
選んだサイズに関して
9mmと15mmの2本を選んだのは正解でした。鑿でそんなに大きなエリアを削ったり落としたりはしませんので、あまり幅が広いと逆に使い勝手が悪い気がします。
でも9mmは便利ですが、細かい事を中心に考えるのであれば、やはり6mmも欲しいところです。
ただ一本2000円近い金額ですから、ポンポン買ってるとすぐに1万円を超えてしまいます。
維持するには「研ぎの技術」が不可欠
刃物ですから、当然使っていく中で欠けたり切れなくなったりと刃先のコンディションが変化していくでしょうから、大切に使っていくなら研ぎの技術は必須でしょう。
刃を研ぐには砥石を用意しないとダメなのですが、これまで包丁を研いでいた安物の砥石では斜めになったりする可能性があります。
そもそも研ぐ技術が無い素人ですから、素人の方が道具は良い方が仕上がりがマシなのはどの世界でも同じだと思います。
ですから、きっちり砥石の面が平面になっているものを使うべきだと考えて、思い切って砥石も買いました。
シャプトンの砥石
砥石を色々調べてみると、これが一番売れているようでしたのでこの刃の黒幕シリーズを選びました。
砥石としての性能は、それはほんとに抜群でした。今までの安物は何だったんだという感じで、これで研ぐとほんとに切れるようになるので、楽しくて家中の刃物を研いでしまいました。
当然この砥石も使っていくうちに削れて平面が失われていきますので、面直し砥石が必要です。
私は以下を選びました。
GOKEI 両面ダイヤモンド砥石 #400#1000 203×70×8mm 907g 仕上げ 包丁 ダイヤモンド砥石 研ぎ石 セラミック...
ですが、ストレートエッジで見ると若干の歪みがあったので、失敗した感あります。
面直し専用の砥石を選ぶ方が良いかも知れません。
しかし高いですねー。
シャプトンの刃の黒幕を数種類用意して本格的に研ぐことを想定するなら、これくらいしっかりした信頼できる面直しが必要だと思います。
でなければ高価な砥石が皆ダメになったら勿体ないですから。
一つの砥石しか持っていない状態で面直しにこの値段はなかなか厳しいですね。
まぁ、砥石の世界は天然の砥石に行くと数万円、数十万円が当たり前の世界なんで、シャプトンの砥石が高価かどうかはちょっと難しい話ですけど。
ストレートエッジとは?
エンジンがオーバーヒートした際など、エンジン平面の歪みなどを見るための道具です。
丸のこのガイドにもなりますし、本来の使い方とは全く違いますが、これ自体にそこそこ重さがありますから木工の際の墨線を引く定規として使ってもかなり優秀ですよ。
おわりに
将来の研ぎ、最初の仕込みの手間など色々とある鑿ですが、手に入れた満足度は高いです。まともに使える使えないに関わらず所有欲はかなり満たされました。
砥石も思い切って買ったおかげで、家の包丁もかなり切れるようになりました。
まぁとにかく色々と作っていく中で、せっかく揃えた道具ですから刃物の研ぎも鑿の扱いも上手になりたいもんです。